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執筆者の写真松村 蘭(らんねえ)

鈴木美羽のこれまでとこれから「大切な人を傷つけないために、自分自身を大切に」



屈託のない向日葵のような笑顔で、その場の空気を一瞬にしてパッと明るくしてしまう。 取材現場でひと目見ただけで、彼女が“国宝級の笑顔”と称される理由がわかりました。

鈴木美羽さんは2012年に雑誌「nicola(ニコラ)」でモデルデビューし、2017年から「Popteen(ポップティーン)」の専属モデルとして活動。2021年4月からはABEMAオリジナルドラマ『ブラックシンデレラ』に出演、さらにTBS『王様のブランチ』リポーター就任と、着実にその活躍の場を広げています。

21歳の誕生日を迎えて間もない鈴木美羽さんに、これまでのモデル人生を振り返ってもらいつつ、今挑戦している女優・タレントという仕事への向き合い方を伺いました。



ファンレターを励みに駆け抜けたモデル時代

 

● 芸能界に入ったきっかけを教えてください。


モデルオーディションを受けたことがきっかけです。姉の影響で幼いときからずっと「nicola」を読んでいました。「こんなにキラキラした人たちが世の中にいるんだ!」と衝撃を受けて穴が空くほど毎日読んでいたら、姉にオーディションを勧められたんです。「まさか私が?」という気持ちで、小5のときに応募しました。そのときは最終審査まで残ったのですが、残念ながら落ちてしまったんです。その悔しさから「来年は絶対に受かる!」と決意。昔から負けず嫌いなんです。小6のときに再度オーディションに応募して受かり、モデルとして活動を始めました。



● 2012年にモデルデビューされてから現在までを振り返ってみて、特に大変だった時期はいつですか?


中学生の頃、外見にコンプレックスを持ってしまったことがありました。自分のことを鏡で見たくないくらい嫌いになっちゃったんです。今思えばなんでだろうという感じなんですけど、周りと比べてどんどん自己嫌悪に陥っていく時期がありました。そのときが一番辛かったかもしれないなあ。



● 中学生って一番多感な時期ですもんね。どうやってその辛い時期を乗り越えたのでしょうか?


ファンレターが励みでした。ファンレターを読み返して「「nicola」を卒業するまでは、応援してくれている子たちを裏切らないよう、自分のできることを精一杯頑張ろう」と思っていました。もちろんその先もお仕事を続けるつもりはありましたが、まずは「nicola」卒業ということを意識していましたね。



● 鈴木さんは小中高と公立の学校に通い、しかも学級委員もされていたと伺っています。学業と仕事の両立はどうでしたか?


「Popteen」のモデルをしていたときの両立が一番大変だったかもしれません。朝3時に起きて自分でヘアメイクを終わらせ、始発電車に乗って朝6時半〜8時まで撮影。そこから朝の会に間に合うようにダッシュで学校へ。5、6限まで授業に出たあと、また駅までダッシュして21時まで撮影、というような生活でした。



● 相当ハードなスケジュールですね・・・・・・!


当時はとにかく体調管理をしっかりするようにしていました。でも、小中学生の頃や大学生となった今、両立を苦に感じたことは全然ありません。むしろ学校は大好き! 仕事で悩んだり悲しいことがあったりしても、学校で友達が「お仕事大変だね。頑張って」と声をかけてくれます。学校の時間はいいリフレッシュという感覚があります。



● 今、日々の生活で気をつけていることはありますか?


自分の見た目にコンプレックスを持っていたと話しましたが、それって私のことを大事に思ってくれている家族に対して失礼だな、と思うようになったんです。なので、自分の大切な人を傷つけないためにも、自分自身のことを大切にしようと意識しています。




女優の仕事は汚い部分を見せること

 

学園ドラマ『ブラックシンデレラ』の撮影はいかがでしたか? 鈴木さんが演じる吉村ひまりは、莉子さん演じる主人公・神谷愛波の親友という人物ですね。


ひまりちゃんはちょっとミーハーなところがある、面倒見のいい女の子。自分に近くて演じやすかったです。私自身、ずっとモデルをやっていたので流行りに敏感でミーハーなところもあり、学生時代は割と友達の面倒をみることも多かったです。



役作りにはどう取り組んだのでしょうか?


監督やプロデューサーから「愛波とひまりの距離感を縮めてほしい」というお話がありました。愛波を演じる莉子ちゃんと私は、元々「Popteen」のモデル仲間。私が先にモデルをしていたのと、年上ということもあって、莉子ちゃんは敬語で話してくれていたんです。でも今回の撮影で「敬語をなくして同級生みたいに話して欲しい」と伝えました。お互いの呼び方も、私のことは“みうっち”、莉子ちゃんのことは“りこりこちゃん”とあだ名に。本当の同級生のような距離感で話せるように心掛けていました。



モデルと女優のお仕事って全然違うものだと思うのですが、切り替えはどうですか?


今はだいぶ自分の中でスイッチが変わっているという意識があるんですけど、最初は難しかったです。モデルのお仕事は自分をキレイに見せて洋服を引き立たせるというもの。一方で、女優のお仕事は汚い部分を見せること。こうして人とコミュニケーションを取っているときに見せる表の顔ではなく、一人でいるときの悶々とした感情を上手に演じるということだと思っています。正反対のお仕事なので、そこはすごく苦労しました。



● お芝居をやっていて楽しいと思うときはありますか?


楽しいと思ったことは・・・・・・ないですね(笑)。一番私をモヤモヤさせて、悔しくて、もっと成長したいなと思うことが多いです。この先死ぬまでお芝居をやっても、自分に100点を出すことは一生ないんだろうなと思いながらも、限りなく100点に近づけるようにやっていきたい。やりがいを感じる瞬間は、相手と繋がったなと思えたとき。相手のセリフがスッと入ってきて、自分のセリフがスッと出る。そんな瞬間が今回のドラマの中でもありました。そういうときは「気持ちいい!」って思います。




言語化することの大切さと難しさ

 

2021年4月からは『王様のブランチ』のリポーターとして活躍されています。


昔から観ていた番組なので恐れ多いなという気持ちもありますが、現場の雰囲気はすごくアットホーム。これからブランチファミリーのみなさんと番組でご一緒していくのが楽しみです!



実際にリポートをしてみて、いかがですか?


難しいですね、本当に。今“ブランチノート”を作っているんです。先輩やスタッフの方からのアドバイスやインタビューするときの内容などをメモしているんですが、いくら勉強しても追いつかない、現場での難しさを感じています。用意したことに囚われて相手とのコミュニケーションが置いてけぼりになってはいけないじゃないですか。自分が勉強したこととコミュニケーションのバランスをうまくとることの難しさを、やってみて初めて感じました。



● 他の現場でもノートを作って勉強しているんですか?


今は仕事のノートは『王様のブランチ』だけですが、それ以外に自分が好きな言葉や感じたことを書くための“心のノート”みたいなものを作っています。このお仕事は言語化することが一番大切なことだと感じているので、普段から自分の感情や好きな言葉をメモして、少しでもうまく言葉を発することができるようにしたい。言葉をポンっと出せるような、言葉の魔法使いになりたいです(笑)。



先日21歳になられたばかりの鈴木さんですが、これから挑戦していきたいことを教えてください。


『王様のブランチ』のリポーターに決まったこともあって、もっともっとバラエティでも活躍したいと思っています。バラエティ番組で「この子がいると安定するよね」と思ってもらえるような人になれたら嬉しいです。そのためにもこれから頑張ります!



最後に、夢を追いかける若者に向けてメッセージをお願いします。


私は春から大学3年生になったのですが、周りに今年から就職して働きだした人も多いんです。友達が社会に羽ばたいていく姿をみると、私も頑張らなきゃなってすごく思います。昔から応援してくれているファンの子も、当時中学生だったのにもう社会人になっていたりするんですよ。同世代のみんなで互いに刺激し合って、高め合いながら仕事をしていきたいです。辛いことがあったら私でも周りの友達でもいいので、すぐに吐き出して、みんなで励まし合いながら一緒に頑張りましょう!




《 Proflie 》

鈴木美羽 (すずき みう)


タレント・女優・モデル

すずき・みう。2000年4月14日生まれ。神奈川県出身。

2012年「第16回二コラモデルオーディション」でグランプリを受賞し、雑誌『nicola』専属モデルとしてデビュー。その後、2017年12月号より2000年3月号まで雑誌『Popteen』の専属モデルとして活動する。2020年4月からMBSラジオ「アッパレやってまーす!」月曜レギュラーとして出演。2021年2月にはYouTubeチャンネル「鈴木美羽のみうチャンネル」を開設。4月にはABEMAオリジナルドラマ『ブラックシンデレラ』にて吉川ひまり役で女優としても活躍。また同4月よりTBS「王様のブランチ」のリポーターとして出演中。現在、モデル・女優・バラエティ番組への出演など、幅広いシーンで注目を集める期待の21歳。


Instagram:

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「鈴木美羽のみうチャンネル」

ABEMA『ブラックシンデレラ』:



 

執筆者:松村 蘭(らんねえ) 演劇ライター。1989年生まれ。埼玉県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒。出産を機にIT企業を退職し、ライターへ転向。仕事のお供はMacBook AirとCanon EOS 7D。いいお芝居とおいしいビールとワインがあるところに出没します。 Twitter:@ranneechan

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