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執筆者の写真松村 蘭(らんねえ)

【イベントレポート】『伊礼彼方の部屋』vol.8 〜小野田龍之介×上原理生×伊礼彼方〜フランスから世紀末へ! 熱き拳士たちの集い


大人気トークイベント『伊礼彼方の部屋』が、2021年12月19日(日)に開催されました。伊礼彼方さん(レイ/ジュウザ役)がホストとなり、今回はミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』で共演中の小野田龍之介さん(トキ役)と上原理生さん(レイ/ジュウザ役)がゲストとして登場。熱き拳士たちによる2時間超えの生配信トークの模様をレポートします。




出演の決め手は3人一致

 

『フィスト・オブ・ノーススター』の前に『レ・ミゼラブル』で共演し、さらに今後は『ミス・サイゴン』と3作品も共演が続く御三方。オープニングでゲストを紹介しながら「今日はよく喋る人たちが集まっているので」と言う伊礼さんに対し「シャイな若手俳優で有名ですから(小野田)」「寡黙な侍なんで(上原)」とそれぞれ返すお二人。「シャイな若手俳優と寡黙な侍をどうすりゃいいのよ〜(笑)。付き合いきれません!」と困りながらも笑顔を見せる伊礼さん。オープニングから気心知れた3人の仲の良さが伝わってきます。


今回も事前にたくさんの質問が寄せられました。その中から最初にピックアップされたのは「なぜこの仕事(『フィスト・オブ・ノーススター』)を受けたのか?」という質問。上原さんは「『北斗の拳』をミュージカルに? 歌うの? 踊るの? ケンシロウが? と思ったけれど、面白そうだなって」。小野田さんは「オリジナル作品を作るのはすごく大変だけれど楽しいし、その経験を自分もしてみたかった。それに面白そうだと思ったから」。伊礼さんも「どうなるかわからないし想像もつかなかったけれど、面白そうだと思った」。ということで、3人とも「面白そう!」という理由で一致しました。


作品が企画段階だった時点で、原作『北斗の拳』の数々の名台詞が一体どうやって歌になるのかを想像したという小野田さん。「あべし」や「ひでぶ」を某有名ミュージカルソングのメロディに乗せて口ずさむと、収録スタジオは爆笑の渦に飲み込まれます。すかさず伊礼さんから「やめてもらっていいですか、アーカイブに残るので(笑)」と手厳しく注意される小野田さんでした。



止まらない筋肉談義〜三者三様の筋トレ事情〜

 

寄せられた質問の大半は筋肉の話だったそうで、みなさまお待ちかね(?)の筋肉談義が始まります。「二人ともいい体してるよね〜」と伊礼さん。まずは各自の筋トレ事情を聞くことに。


小野田さんの体作りのきっかけは、『ウエスト・サイド・ストーリー』のトニー役。その後『ミス・サイゴン』出演時に海外スタッフ陣から「この体を大事にした方がいい」と言われ、今の体をキープしているそうです。具体的な筋トレ方法を聞かれた小野田さんは「とにかくお肉を異常に食べてウエイトトレーニングをしてきました」と回答。“令和の肉食系男子”というワードまで飛び出します。


伊礼さんは『フィスト・オブ・ノーススター』に向けて1年前から筋トレをスタート。その前に出演していた『レ・ミゼラブル』のジャベール役で恰幅をよくするため脂肪をつけていたこともあり、まずは体重を7kg落としてからウエイトトレーニングを始めたのだとか。ところが体質的にウエイトトレーニングは合わない部分があったため、半年前から自重トレーニングに切り替えて懸垂に励んでいるのだそう。


上原さんは『ミス・サイゴン』出演の頃から本格的に筋トレに取り組み始め、『フィスト・オブ・ノーススター』に向けて取り憑かれたようにトレーニングしてきたと言います。


ただ、これは体作りだけではなく歌のためでもあったとのこと。それを聞いた小野田さんと伊礼さんは「首の太さとか胸の厚さとか大事だよね(小野田)」「歌って筋肉だから。筋肉で響きが変わるよね。芝居でもセリフが届くようになるし(伊礼)」と首を縦に振ります。体の大きさだけでなく、歌にもセリフにも反映される筋肉。「『フィスト・オブ・ノーススター』をきっかけに、日本の若い俳優たちはぜひ体作りに励んでほしい」と熱く語る伊礼さんでした。




まだまだ続く筋肉談義〜好きな筋肉の部位〜

 

筋肉談義は止まりません。「自分の筋肉の好きな部位は?」という質問へ移ります。小野田さんが「胸とお尻の筋肉」と答えると、伊礼さんは視聴者に向けて「(小野田さんの)お尻見たいよね?」と問いかけます。視聴者のみなさまの反応が返ってくるのを待つ間、上原さんの肩の話に。「理生くんは稽古場でTシャツの肩のところをまくっているんだけど、その肩のフォルムが良いんだよねえ」と伊礼さん。上原さんのその肩は、ゆっくり5秒かけて上げ下ろしする腕立て伏せによって鍛え上げられているそうです。


と、ここで視聴者から「小野田さんのお尻が見たい」というリアクションが多数返ってきます。伊礼さんは容赦なく小野田さんをカメラの前に立たせます。小野田さんは「ここからの、ここがいいんです」と筋肉の部位を説明します。すると、小野田さんのお尻を二人のジュウザ(伊礼&上原)が触り合うという謎の展開に・・・・・・! 伊礼さんは「いいお尻してるわ〜! 理生も触ってごらん」と上原さんにも勧めます。誘われるがままに手を伸ばした上原さんは「ここからの、これが、いいのか」とこれまたイケヴォで呟きます。その横で伊礼さんは大はしゃぎ。小野田さんは「『伊礼彼方の“怪しい”部屋』だわ! やっぱりジュウザ(伊礼&上原)に挟まれるとおかしくなる」と不服そうに漏らしていました。




ここ見てほしい! 注目ポイント

 

たっぷりと筋肉談義を楽しんだあとは、再び作品の話題へ。『フィスト・オブ・ノーススター』の劇中、とてもショー要素が高いナンバーが1つあります。それが、美女たちに囲まれたジュウザが「悲惨な現実は忘れて夢に生きよう」と歌い上げる「ヴィーナスの森」です。時には手拍子も起こる程盛り上がる楽しいナンバーなのですが、伊礼さんによると歌詞が意外と泣けるのだとか。実は原作ではジュウザとヒロインのユリアは母違いの兄弟で、そのためにジュウザはユリアへの恋を諦め無類の生き方をしている、という設定があります。それを踏まえて歌詞を聞くと、ジュウザの秘められた想いが垣間見えてくるのだそう。


「ユリアってどんだけ愛されてるの? キャラクター全員から愛されるヒロインっている?」と伊礼さん。すると小野田さんが唐突に「ユリアの『ヴィーナスの森』やろうよ。(ユリアを愛している)俺たちが『ユリア様〜』って踊るの!」と提案しました。これには3人揃って「くだらねえ〜〜〜!」と大爆笑。劇中でのユリアは「ヴィーナスの森 ユリアver.」が想像できてしまう程の愛されっぷりのようです。


気づけば配信も後半に。「ここ見てほしい! っていうポイントある?」と伊礼さん。小野田さんは「三兄弟(ラオウ・トキ・ケンシロウ)の空気感に注目してほしい」と言います。例えば、ラオウが登場すると多くのキャラクターは戦う体勢になるところ、小野田さん演じるトキは「やっぱりお兄ちゃん(ラオウ)と戦いたくない気持ちがあるから、そう簡単には構えられない」のだとか。「単純に正義と悪が描かれているわけではないんです。それぞれの戦い方、戦うまでのドラマ、戦っている間の表情や言葉を感じてもらえたら」と小野田さん。続いて上原さんはレイ役について「復讐の鬼だった彼が、人間の心を取り戻して目覚めるまでの展開が早いんです。なので、人が誰かのために行動している姿を見て、それを一回一回大事にキャッチするようにしています」と、レイという役の成長プロセスを大事にしていることを明かしてくれました。


本番に入ってからも変化し続けているという『フィスト・オブ・ノーススター〜北斗の拳〜』。日々ブラッシュアップしている作品がこれから先どう進化を遂げるのか。まだまだ目が離せません!


 

執筆者:松村 蘭(らんねえ)

演劇ライター。1989年生まれ。埼玉県出身。青山学院大学国際政治経済学部卒。出産を機にIT企業を退職し、ライターへ転向。仕事のお供はMacBook AirとCanon EOS 7D。いいお芝居とおいしいビールとワインがあるところに出没します。 Twitter:@ranneechan

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